【胚盤胞】グレード(Gardner;ガードナー分類)について解説します。
2024-07-26
みなさん、こんにちは。
アートラボ渋谷クリニック院長の太田です。
本日は、患者様からもよくご質問いただく、【胚盤胞のグレード】についてお話しさせて頂こうと思います。Gardner分類と呼ばれる評価法になります。
前回のブログで培養過程についてご説明しましたが、胚盤胞は受精後5~6日で形成される胚の発展段階です。
この段階では、胚は内細胞塊(将来の胎児になる部分)と栄養外胚葉(胎盤になる部分)に分化します。また胞胚腔と呼ばれる液体で満たされた空間を持ち、透明帯と呼ばれる外膜に包まれています。
胚盤胞の評価には、『Gardner分類』という方法が使用され、発達段階や質を詳細に評価します。その上で評価の良い胚を選び、移植・凍結を行っていきます。
【Gardner分類】
Gardner分類は、以下3つの要素で構成されます。
❶発育段階(クラス1〜6)
- クラス1: 初期胚盤胞(胞胚腔が全体の1/2以下小さい)
- クラス2: 胚盤胞(胞胚腔が1/2以上に拡大し始めている)
- クラス3: 完全胚盤胞(胞胚腔が全体に広がっている)
- クラス4: 拡張胚盤胞(胞胚腔が広がり透明帯が薄くなる)
- クラス5: 孵化中胚盤胞(胚盤胞が透明帯の外に脱出し始めている)
- クラス6: 孵化後胚盤胞(胚盤胞が透明帯から完全に脱出している)

クラス3以上の胚盤胞は、
内細胞塊(将来の胎児になる部分)と栄養外胚葉(胎盤になる部分)をそれぞれの細胞数で評価します。
❷内細胞塊(将来の胎児になる部分)
❸栄養外胚葉(胎盤になる部分)
- A: 多数の細胞が緊密に結合している(高品質)
- B: 中程度の細胞数で、やや緩い結合
- C: 少数の細胞または散在している細胞(低品質)

評価が「4AA」の場合、拡張胚盤胞であり、内部細胞塊と栄養外胚葉の両方が高品質であることを示します。
少し複雑ですが、Gardner分類についてご理解いただけましたでしょうか?
皆様の受精卵も、胚盤胞に到達した段階でこの方法で評価をし、移植・凍結に向けてご説明をさせていただきます。
次回以降は、【男女の産み分け】についてお話ししようと思っています。
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