【採卵】ステップを簡単にご説明します!
みなさん、こんにちは。アートラボ渋谷クリニック院長の太田です。
これから妊活に関するお話や当院の特徴など、こちらのブログでどんどんお伝えしていこうと思っています。
各部門のスタッフからも発信いたしますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
今回は体外受精(IVF)に進むに当たり、まず一番初めに気になる【採卵】についてお話いたします。
採卵は、①排卵誘発→②卵子成熟→③採卵の大きく3つのステップで行われます。
以下に概要をご説明します。
❶排卵誘発
通常、女性は自然周期で1つの卵子を排卵しますが、排卵誘発剤の注射をすることで複数の卵子を得ることができます。排卵誘発の方法はいくつかあり、
・高刺激法:排卵誘発剤を連日注射して、複数の卵胞を育て一度に沢山の卵子を採卵する方法
・中刺激法:高刺激法よりも少ない量の排卵誘発剤を使用する方法
・低刺激法:内服薬の排卵誘発剤を使用して卵子を育てる方法
・自然周期法:薬を使用せずに自然の月経周期に合わせて卵子を採取する方法
患者様の状態や治療歴に基づき刺激法を選択していきます
当院では、世界的にスタンダードであり、費用対効果も高い高刺激法を第一選択としてしております。高刺激といっても排卵誘発剤により、ホルモンバランスが乱れたり、卵巣へ負担がかかるといった心配はありません。またホルモン補充のため日程調整がしやすいというメリットがあること、また複数の卵子が採れるため採卵し移植しなかった余剰胚を凍結保存することもでき、一度の採卵で数回の移植のチャンスを得ることも可能です。
❷卵子成熟
超音波検査と血液検査を行い、卵胞が適切なサイズに達したら卵子を成熟させて受精できる状態にするため、通称、トリガーの注射(hCG注射)又は、点鼻薬(ブセレリン)を行います。この注射は、通常排卵の約36時間前に実施します。
当院ではトリガーの注射を失敗しないか不安な方にhCG注射+点鼻薬の両方を投与することで、万が一、hCG注射が失敗しても全く採卵できないという状態を回避する対策も行っております。また注射の場合は基本的に自宅で自己注射を行なっていただく方法をとっています。保険診療or自由診療で注射・点鼻薬の方法は異なりますので、詳細はご相談ください。
❸採卵
通常、上記hCG注射の約34-36時間後に行います。痛みを軽減するため、静脈麻酔下で実施することも多く、当院でも多くの患者様が希望されます。
超音波を膣内に挿入し、先についている細い針を卵胞に到達させ卵子を吸引します。所要時間はおよそ20分から30分程度です。
採卵後はしばらく回復室でお休みいただきます。軽度の出血や腹部の不快感がある場合がありますが、通常は数時間で回復します。
当院では痛みの少ない治療を心がけており、採卵時の針はなるべく細いサイズを採用することで痛みや出血を最小限に抑えています。採卵時も静脈麻酔(眠る麻酔)下で実施することをおすすめしており、実施後は約2時間ほど回復室でお休みいただきます。前日の絶食や施術後の車の運転ができないなどいくつか注意事項もあります。また卵胞の数によっては局所麻酔で対応(術後は30分〜1時間ほど休息)することも可能ですので、こちらも相談しながら決めていきます。