【胚移植】新鮮胚移植 or 凍結融解胚移植? 自然周期とホルモン補充周期の方法があります。
みなさん、こんにちは。アートラボ渋谷クリニック院長の太田です。
夏真っ盛りですね。熱中症や夏バテにはなっていませんか?
日頃のケアで体調管理をし、毎日元気に過ごしたいですね。
今日は、いよいよ体外受精の最終ステップ「胚移植」についてお話します。
特に質問が多い「新鮮胚移植」か「凍結融解胚移植」のどちらがいいか、また、「自然周期」か「ホルモン補充周期」のどちらがいいかについて説明していきます。
【新鮮胚移植】
採卵後に5日間培養された胚を、採卵した周期に移植をする方法です。
採卵から胚移植までを同じ周期で行うため、凍結保存や解凍のプロセス行わずすぐに移植が行えます。これにより治療期間が短縮できる、というメリットはありますが、採卵直後のため、卵巣やホルモン状態が安定しておらず、妊娠率が凍結融解胚移植に比べて低くなる場合があります。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)発症のリスクも考慮しなければなりません。またホルモン値によっては新鮮胚移植を中止する場合があります。
【凍結融解胚移植】
採卵後に凍結保存しておいた胚を採卵の次の月経周期で移植当日に融解し、適切なタイミングで子宮内に移植する方法です。
子宮や卵巣の状態を整えてから移植を行うため、着床率や妊娠率が新鮮胚移植より高い傾向にあります。また卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクもありません。凍結保存された胚は、保存して都合の良い時に移植することができるため、移植するタイミングを調整することが可能です。
また複数の凍結胚がある場合は、妊娠・出産後、将来的に次のお子様を希望する場合に備えることもできます。お二人目、三人目を希望の時に、そこから新たに採卵をするより年齢が若い時に採卵して凍結しておいた胚の方が妊娠率が高く、流産率も低いことは明白です。
【自然周期とホルモン補充周期】
胚移植を行う周期には、自然の排卵に合わせて移植を行う「自然周期法」と、投薬によりホルモン剤を補充することで子宮内膜を適切な状態に整える「ホルモン補充周期法」があります。
ホルモン補充周期では月経開始2日目頃に血液検査にてホルモン値をチェックし、卵胞ホルモン剤(エストロゲン製剤)を開始します。
その後子宮内膜の状態を見ながら、再度ホルモン値をチェックしホルモン値に異常が無いことを確認後、黄体ホルモン剤(プロゲステロン製剤)の補充を開始し、胚の培養日数に合わせて移植日を決定します。
通常、胚盤胞の場合、黄体ホルモン開始後5日目に移植を行います。
薬でコントロールするため、移植日をご自身の予定に合わせて調整することができます。
デメリットとしては、ホルモン剤を忘れずに毎日管理し使用する必要があることです。
エストロゲン製剤は貼るタイプや経口薬、塗り薬(ジェル)、黄体ホルモン製剤は膣座薬、経口薬などの種類があります。
●移植当日の流れ
移植当日は、決められた時間に来院いただき、当日融解した胚を超音波で確認しながら、移植専用のカテーテルを用いて培養液とともに子宮内に戻します。
胚移植の所要時間は10~15分ほどで、痛みもないため麻酔等の使用もありません。痛みがある場合、局所麻酔を追加することも可能です。
移植後の安静の必要もなく、トータル1時間程度で終了します。
そして、胚移植から10日後以降に尿検査又は血液検査を行い妊娠判定を行います。
移植の流れについてはいかがでしたでしょうか?
当院では、一つ一つのステップを丁寧にお話しながら治療を進めていきます。
次回以降は、【体外受精のオプションメニュー】についてお話ししようと思っています。
当院の料金表はこちらになります。
感想やご質問などありましたら、
SNSやお問い合わせページからぜひお気軽にご連絡いただけたら嬉しいです。
では、また次回お会いしましょう!
アートラボ渋谷クリニック院長 太田岳晴